相続と不動産4

〇亡くなった家族の生命保険契約が“一括照会”できるようになりました。

「亡くなった家族が、どこの生命保険会社に、どんな契約に何件加入していたのか分からない…」

相続発生後に困ってしまいますよね。

日本には約40社の生命保険会社がありますので、家族が、どこの会社に、どんな契約に加入していたのか、把握していない方は非常に多いですし、調査するのも大変です。

そんな問題を解決するために、2021年7月より、被相続人(亡くなった人)が加入していた生命保険契約を一括で照会できる「生命保険契約照会制度」が始まりました。

生命保険協会はこれまでも災害被災者のための「災害地域生保契約照会制度」を設けていましたが、災害時に限らず、平時においても確実に保険金請求するためのシステムとして一本化されました。

「親が生命保険に入っているのは知っていたが、保険証券を探し出すのに苦労した。」

「過去の通帳が残っていないために払済保険の存在がわからず見落としてしまった」

などスムーズに保険金を受け取れないケースが少なくありません。そもそも生命保険に加入していたことすら分からないことも多くあるでしょう。

しかし、この生命保険契約照会制度を利用すると、被相続人1人につき3千円で、生命保険協会に所属する42社に一括で契約状況の紹介ができ、加入状況の把握ができます(約2週間かかりますが)。

どこの会社の、どの保険に入っているのかが確認できるというわけです。

多少の手間と費用はかかりますが、亡くなった人の家の中から保険証券を探し出したり、通帳や確定申告書をチェックしたりして、保険契約の有無を調べる負担がなくなったというのは、大きな前進といえるのではないでしょうか。

この制度の対象となるのは、次の3つの場合です。

①家族が死亡した場合

②家族の認知判断能力が低下した場合

③家族が災害により行方不明になった場合

照会窓口は、一般社団法人生命保険協会です。なお、協会に加盟していない共済や据置保険契約などは一括照会できませんので完全に把握できるというわけではありませんが。

手順としては、①まずはご家族の中で生命保険契約の内容を調べ、わからなかった場合に、②本制度を利用し、生命保険契約が判明したら、③保険会社へ請求を行う、という流れになります。

また、制度の利用にあたっては、「戸籍謄本」や「所定の診断書」などの書類が必要で、照会手続きを行うことができる人はケースによって異なりますのでご利用前は生命保険協会のHPにてご確認ください。相続が発生した際には、大変便利な制度ですね。

コロナ禍で遺言や生前対策に関するご相談が非常に増えています。少しでも不安に感じることがあれば、専門家への相談など、早めに行動に移すことをオススメいたします。弊社は相続対策に詳しい税理士事務所と提携しておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

最後までお読みいただき有難うございました。

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